研究支援等 73 ここに記載しているのは,直接研究活動を行わないが,研究を遂行する上で,なくてはならない研究支援業務であり, 主に技術課が担当・支援しているものである。特に法人となってからは,全国の分子科学コミュニティの連帯を強め るために,研究支援部門を強化してきた。法人化後に新設された部門には,「安全衛生管理室」,「 広報室 」,「史料編 纂室」がある。
技術課は,研究支援組織の中核になる大きな集団を構成している。分子科学研究所は,共同利用部門を強力に支援 するために,技術課に所属する技術職員を公募で採用し,また研究室配属の技術職員を研究施設に配置転換し,大型 の研究施設を維持管理する部門や共同利用を直接支援する部門を増強した。平成19年4月に組織編成を見直した。
「2-5 構成員」を参照。
安全衛生管理室は,法人化に伴い,研究所の総括的な安全衛生が,労働安全衛生法という強制力を持つ法律によっ て規制されるようになったため,その法律の意図するところを積極的且つ効率的に推進するために設置された。それ までは,設備・節約・安全委員会という意思決定のための委員会が存在していたが,安全衛生の実際の執行は技術課 が一部を担当したものの,専門に執行する組織はなかった。現在,安全衛生管理室には,専任の助教と事務支援員, 十名弱の兼任の職員を配置し,執行組織として,多くの施策を実行している。安全衛生を維持するのに必要な資格は 全て取得している。
広報室も法人化と共に設置した部門であり,法人化する前は,単に研究活動報告や要覧誌の発行などを行っていた だけであった。法人化以降は国民に,より積極的に研究所で行っている研究内容を分かりやすく紹介することに重点 を置くようになった。そのため,平成21年度には新たに専任の技術職員を1名配置し,非常勤職員1名と合わせて 3名の体制にした。分子研の発行誌も,上述した観点で見直している。分子研及び分子科学コミュニティの情報を早 く且つ分かりやすく伝えるために,ウェブサイトをリアルタイムで更新し,また事業内容を紹介する動画の制作や展 示室を設置し見学者らに公開することとしている。
史料編纂室は法人化後に設置された支援組織としては一番新しい。法人化後まもなく迎えた創立30周年記念行事 の中で分子研設立の経緯を残すことの重要性が認識された。このため,総研大葉山高等研究センターを中心に発足し た「大学共同利用機関の歴史」研究プロジェクトに参加する形で史料編纂室を発足させた。分子研設立の過程と共に, 過去に所員が行ってきた研究,分子科学コミュニティーの形成過程などの歴史をきちんと記録し公開することを目指 している。所はそのために専任の技術職員1名と非常勤職員2名を配置した。